藤井くん
皆さんこんばんは
どうお過ごしでしょうか。
曲がりなりにも32年間生きて来て、今更ブログなんて始めちゃって。
好きなことを書きなさいと言われて思い浮かぶ事は、子供の頃の思い出。
どうも、おみそまるです。
タイトルの件、
私が育ったのはとても田舎で、田舎あるあるだと思うのですが
小学校の学区がとても広かった。
私自身も、登校するのに徒歩で40分位歩いていたと思う。
だから、学区内の端っこ同士の友達は、家に遊びに行くだけで大変だった。
遊ぶ約束をするのも携帯電話はないから、前日学校でするか
家に電話をかけるか、自宅に乗り込むかの3択だったと思う。
ある台風の日、叩きつける様な雨と、信号機を揺らす強風の午後
誰かがうちのチャイムを鳴らした。
そこには、雨合羽を着た、河童よりずぶ濡れの藤井君の笑顔があった。
遊ぼう
今思うと、藤井君はあまり裕福ではなかったと思う。
自転車は古いママチャリで、ブレーキの度に耳をつん裂く音がしたし
サドルが破けて水を含んでいるから、油断して座るとパンツまで濡れた。
彼の家の周りは、googlemapで調べても緑色ですらない
名前のついていない竹林だった。
彼の着ている雨合羽は大人用だった。
自転車でも、うちまで20分はかかったと思う。
当時の私にも想像できた、彼はいくつかの困難を乗り越えてここに立っている。
だが謎がある。私と彼が学校以外で遊んだ事はそれまで一度もなかった。
だけどそう言えば、昨日学校でファミコンの話をした時、彼も輪の中に居た。
私は言った。
「宿題があるから今日は遊べない」